①「ノー」の心理的重さ:「イエス」に比べると「ノー」には、その理由や「イエス」と言える条件など、多くの関連事項がありそうに思える。これに対し「イエス」には「白紙委任」のような気持ちの軽さが感じられる。
②回答を早く終わらせるため:面接調査や電話調査の調査員をしたことがあるなら「回答者が、いつ終わるとも知れない質問に対し、よく考えずに『はい』を連発するようになった」と感じた経験があるかもしれない。どんなに善意の回答者であっても、予想以上に質問が長引くと、そうした反応が起こりやすくなると考えられる。
③質問者を「立てる」ため:回答者のなかには「質問者には自分に選んでほしい選択肢があるのではないか」と考える人もいる。そうした人は、想像された「質問者の期待」に合わせて回答しがちになるが、その場合、往々にして「賛成」や「はい」という選択肢が選ばれることになる、と言われている。
山田一成,2010,『聞き方の技術——リサーチのための調査票作成ガイド』日本経済新聞出版社.