考現学とは何か
考現学とは今和次郎が名付けた大量の図やスケッチを取り入れながら、風俗(現在的な生活文化)を記述する作業を持続的・精力的に進めていくような調査法。大都会の雑踏を事実として見出し、提示しようとした。通行人をいくつもの「外的な標識」にいったん分解したうえで、それぞれの標識を分類し、数を数えた(西澤 2000)。
考現学についてのとりあえずの分類(佐藤 1994)
1.見わけて数える…「分類統計法」
2.測って想像する…「烏の目/虫の目法」
3.見通して比べる…「重ねスケッチ法」
4.記号に直して考える…「記譜法」
5.ひとつ残らず書き上げる…「徹底書き上げ法」
6.症状を読み取る…「破損解読法」
7.位置をとらえて地図にする…「生態分布図法」
8.動きをとらえて地図にする…「生態尾行法」
1.見わけて数える…「分類統計法」
「分類統計法」泉麻人編,2011,『東京考現学図鑑』学研パブリッシング
続きを読む2.測って想像する…「烏の目/虫の目法」
「烏の目/虫の目法」今和次郎著・藤森照信編,1987,『考現学入門』筑摩書房.p.303
続きを読む3.見通して比べる…「重ねスケッチ法」
「重ねスケッチ法」佐藤健二,1994,『風景の生産・風景の解放——メディアのアルケオロジー』講談社.p.109
続きを読む4.記号に直して考える…「記譜法」
「記譜法」佐藤健二,1994,『風景の生産・風景の解放——メディアのアルケオロジー』講談社.p.111
続きを読む5.ひとつ残らず書き上げる…「徹底書き上げ法」
「徹底書き上げ法」
続きを読む6.症状を読み取る…「破損解読法」
「破損解読法」今和次郎著・藤森照信編,1987,『考現学入門』筑摩書房.p.303
続きを読む7.位置をとらえて地図にする…「生態分布図法」
「生態分布図法」
続きを読む8.動きをとらえて地図にする…「生態尾行法」
「生態尾行法」
続きを読む考現学の資料
吉田謙吉著・藤森照信編,1986,『考現学の誕生――吉田謙吉コレクション 1』筑摩書房.https://dl.ndl.go.jp/pid/12278121/1/61
続きを読む考現学に関する情報
今和次郎, 吉田謙吉 著『モデルノロヂオ : 考現学』,春陽堂,昭和5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1177292
川添登 著『今和次郎 : その考現学』,リブロポート,1987.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12174213
WEB版『建築討論』 建築思想図鑑 第10回 考現学 人々が生き、日々変化する都市を科学的に把握しようと試みた先駆的な方法論 http://touron.aij.or.jp/2017/05/3864
AERA dot. 「90年前に始まった民俗学的アプローチ「考現学」。そのまなざしから見る、変わりゆく風景と人々の装い」 https://dot.asahi.com/articles/-/22001
路上から社会が見えてくる。社会学部の永井良和先生に聞く、考現学と「街歩き」のススメ|KANDAI HEADLINES ~ 関西大学の「今」 https://www.kansai-u.ac.jp/headlines/entry/post_71706.php