筆者:(進路指導主任の)エヴァンス先生がおしかりになったろ、みんなの態度が非常に悪かったって。(進路指導説明会のときに)ひとの話を聞く礼儀を知らなかったって注意されて、みんなにこう言われたね。「きみらがそんなふうだから世の中がどんどん無作法になるんだ。いずれきみらもひとの子の親になる。その子がきみらより良くなることはないんだからな」。あれ聞いて、みんなはどう思った?
ジョウィ:まったくばかげてるよ。おれたちの子どもなら言いたいことを言うさ。ペコペコするような情けないガキにはならないね。言いたいこと言って、シャンとしてる人間になりゃあいいじゃないか。
スパンクシー:おれたちのガキがさ、ここにいる連中みたいだったら、おれは満足だね。
こうした反抗は、通常、ある種の流儀として現われる。それは、学校という制度に特有のこまごまとしたことがらにかこつけて起こり、教師の側も即座にそれと気づくし、生徒の側にとっても学校生活の日常に精彩をほどこす一種の儀式のようなものなのだ。
- Willis, Paul E., 1977, Learning to Labour: How Working Class Kids Get Working Class Jobs, Ashgate. (熊沢誠・山田潤訳,1985,『ハマータウンの野郎ども——学校への反抗・労働への順応』筑摩書房.)pp.34-5