質的調査・質的研究の文献の目次

ドキュメント分析/言説分析/内容分析

編著者名
タイトル
出版社名
刊行年
目次(主に章)
Rapley, Tim
(大橋靖史・中坪太久郎・綾城初穂訳)
『SAGE質的研究キット 7
会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析』
新曜社
2018(原著2017)
出版社HP
1章 ディスコースを研究する
 導入的ないくつかの考え 起源についてのいくつかの考え
 次章以降についてのいくつかの考え
2章 アーカイブを生み出す
 「データ」のソース ドキュメントにもとづくソース
 音声とビジュアルにもとづくソース まとめ
3章 倫理と「データ」の記録
 研究「データ」を作成し記録する際の倫理的問題 まとめ
4章 記録の実際
 記録機器 何を記録するかをどのように知るか?
 インタビューとフォーカスグループの実際
 音声、もしくはビデオにもとづくエスノグラフィーの実際
 まとめ
5章 音声とビデオ材料の書き起こし
 記録の紹介 場面を描写する 基本的なトランスクリプト
 細部の問題 ジェファーソン式トランスクリプト
 作業用トランスクリプト vs. 報告用トランスクリプト
 ビデオにもとづくデータを使う イメージを書き起こす まとめ
6章 会話を探究する
 発話におけるありふれた瞬間の探究 社会生活の習慣的組織化
 だから何なのか? まとめ
7章 ドキュメントについての会話、ドキュメントによる会話の探究
 ドキュメントの使用
 ケーススタディ─精神科の記録はどのように作られたか
 ケーススタディ─レポート結果の読み取りとレポートの知見の報告
 ケーススタディ─法廷のビデオ記録の理解
 まとめ
8章 会話とディスコースを探究する─いくつかの議論とジレンマ
 分析者の隠れた役割 相互行為の1コマのみに焦点をあてる
 フォーカスグループやインタビューから得たデータの、ローカルな文脈について研究する
 権力(や他の鍵概念)について研究する まとめ
9章 ドキュメントを探究する
 何がそこにあるのか(何がそこにないのか)を考える 事例を検討する
 論点を広げる 誰にとっての問題か、誰にとっての解決か?
 いままでの歴史を考える まとめ
10章 ディスコースを研究する─おわりに
 アーカイブをコード化し、分析し、考える 品質とリフレクションの問題
 会話、ディスコース、ドキュメントを分析する諸段階とキーポイント
 (最後の)まとめ

鈴木聡志・大橋靖史・能智正博編
『ディスコースの心理学
——質的研究の新たな可能性のために』
ミネルヴァ書房
2015
出版社HP

心理学
 第Ⅰ部 理論編
第1章 質的研究におけるナラティヴとディスコース(能智正博)
 1 質的研究の広がり
 2 質的研究におけるナラティヴ
 3 ディスコース分析への接近
 4 ナラティヴのディスコース分析へ
 5 質的研究のスタンダード化を超えて
第2章 ディスコース心理学とディスコースの心理学(大橋靖史)
 1 ディスコース心理学
 2 ディスコース心理学,その後の展開
 3 ディスコース分析における研究グループの意義
 4 ディスコースの心理学へ
第3章 経験を研究するディスコース分析(鈴木聡志)
 1 ディスコース分析における主観性や経験の扱い方
 2 ディスコース心理学における経験の扱い方
 3 言語ゲームと経験の形成
 4 主観的経験へのアプローチに向けて
 第Ⅱ部 実践編
第4章 色覚異常を自覚させられる経験(鈴木聡志)
 1 先天色覚異常の社会史
 2 データと分析の方針
 3 「赤いカラス」における二つの場面の分析
 4 他のデータによる分析
 5 色覚異常を自覚させられる経験の独自性,地理・歴史的限定性
第5章 知的障害児を持つ母親は子どもの将来をどのように語るのか(飯野雄大)
 1 知的障害児とその家族を取り巻くディスコース
 2 希望と不安の語り方
 3 「障害児の親」と「支援者」という関係の中で表れてくるディスコース
 4 語り方からみる自立概念の再構築
第6章 自死遺族のナラティヴ(古井〈橋本〉望)――対話的関係を共同生成するプロセス
 1 ナラティヴを通して現れる自己
 2 自死遺族のナラティヴ
 3 〔語り―聴く〕関係への視点
 4 重層化する対話的関係と変容するナラティヴ
第7章 原爆体験者の対照的な語り(松尾純子)
    ――生存者ディスコースと被害者ディスコース
 1 “原爆の語り”というディスコース
 2 Sさん――聴き手に向かい合う語り方
 3 Fさん――聴き手に背を向ける語り方
 4 原爆の語りとディスコース
第8章 対話プロセスとしての自己の語り直し(能智正博・沖潮〈原田〉満里子)
 1 自己と語り直し
 2 外部からの働きかけによるポジションの広がり
 3 外部からの枠づけとそれに対する反応
 4 メタ・ポジションとしての「外部」
第9章 ポジショニング理論によるクライアントの語りの理解(綾城初穂)――「受け入れられる」ことは何を意味するのか
 1 ディスコース分析によってクライアントの語りをどう理解するか
 2 ポジショニング理論によるクライアントの語りの検討
 3 ポジショニング理論によるカウンセリング研究の意義
第10章 認知症高齢者との会話における繰り返し(田中元基)――「症状」を「会話上の実践」として捉え直す
 1 症状への視点と実践への視点
 2 質問はどのように繰り返されるのか
 3 話はどのように繰り返されるか
 4 「症状」を「会話上の実践」として捉えることの意義
第11章 子どもの「非行」と向き合う親たちの語りにおける笑いの機能(北村篤司)
 1 社会的な相互行為としての笑い
 2 笑いが生じる語りの文脈とプロセス
 3 笑いが生じることによる語りや参加者への影響
 4 笑いの生成プロセスと機能
 5 本研究の意義と課題
第12章 想起行為の軌跡を分析する(大橋靖史)
    ――超常体験報告のディスコース
 1 超常体験の心理学
 2 超常体験報告のディスコース
 3 体験報告の不安定性への注目
 4 想起の軌跡を明らかにするディスコース研究の可能性
鈴木聡志
『会話分析・ディスコース分析
——ことばの織りなす世界を読み解く』
新曜社
2007

有馬明恵
『内容分析の方法』
ナカニシヤ出版
2007
Burr, Vivien
(田中一彦訳)
『社会的構築主義への招待
——言説分析とは何か』
川島書店
1997(原著1995)
Krippendorff, Klaus
『メッセージ分析の技法
——「内容分析」への招待』勁草書房