認識的不正義(塩原 2025)
外国人を「偽装」とみなす主張自体は近年出現したものではなく、たとえば「偽装難民問題」は、インドシナ難民を受け入れていた1970年代から論点化していた(滝澤 2017: 291)…
続きを読む旅行者と放浪者(Bauman 1998=2010)
「上層」と「下層」の人びとの違いは、前者が後者を置き去りにできることである。そして、逆はありえない。現代の都市は「逆向きのアパルトヘイト」の場である。移動できる人びとは、移動で…
続きを読むマイノリティの集住とコミュニティ(塩原 2025)
移民などのマイノリティが特定の場所に集住し、マジョリティ国民の統制が及ばない独自の閉鎖的なコミュニティを形成しているというのが「社会の分断」の典型的なイメージである(ハージ 2…
続きを読む「純ジャパ」と、テストする権力
「純ジャパ」の卓越化 現代日本において、ノーマリティとしての日本人性資本を十分に蓄積した「マジョリティ日本人」という概念をもっとも直接的に体現しているのは、「純ジャパ」と…
続きを読む2020年国勢調査 外国人比率
2020年国勢調査「外国人比率」の外国人比率の高い順です(全国、都道府県、市区町村)。
続きを読む非正規移民の犯罪者化(塩原 2012)
1.「不法」という他者 前章で論じたように、移民や外国人は「荒野」の住民たちのスケープゴートの矛先になりやすい。そのなかでもとりわけ標的となりがちなのが「不法」入国・滞在…
続きを読む給与明細に隠されたもの:日系人労働者の給与の実態(丹野 2016)
彼は「時給1,200円で働いている」と筆者に言っていた。なるほど、彼の支給額は時間給1,200円を基準として計算されている。しかし、彼の時間給である1,200円は基本給900円…
続きを読むクルド人として日本に生きる(アフマディヤーン 2020)
現在、日本に居住しているクルド人のほとんどはトルコ出身者であるが、近年はイラクやシリアでの内戦から逃れて来日するクルド人も増加している。こうした人々の大半は、日本とトルコとの間…
続きを読むバリバイ一家が来日した経緯(乾 2021)
家族が暮らしていたのは、トルコ南東部ガジアンテップ県にある小さなクルド人集落だった。父ムスタファさんは左官などの建設業をしながら羊を飼い、畑でキュウリやトマトを育てて自然と共に…
続きを読む単一民族という神話と多文化共生(塩原 2012)
こうして今日の日本社会では、「多文化共生」という謳い文句が定着しつつある。これは歓迎すべき変化だが、問題がないわけではない。それは、このスローガンの意味するものが日本語が不自由…
続きを読む不就学の問題と教育を受ける権利(宮島 2023)
欧米諸国の多くは,国籍に関わりなく一定年齢の子どもには就学を義務としている。しかし,日本では外国人には就学義務が課されず,このため当該年齢層の外国人の子ども全員の就学を促すにい…
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