藤村正之,2007,「ジェンダーとセクシュアリティ」長谷川公一・浜日出夫・藤村正之・町村敬志『社会学』有斐閣,377-412. 彼女は、ジェンダーを後天的なものとするとらえ方が、逆にセックスを生物的なるがゆえに自然で自…
ICU社会学原論第7回
専攻分野の性差(江原 [2001]2021: 239-41)
江原由美子,2021,『ジェンダー秩序 新装版』勁草書房. 専攻分野の男女の相違は、得意科目の相違に基づいているのだろうか。図表13は、高校生の教科観を示している。ここからは、男女の専門分野の選択の背後に、ある程度…
バトラー「ジェンダー・アイデンティティは遂行的に構築される」(渋谷 2005: 251-2)
渋谷知美,2005,「ジェンダー(バトラー)」大村英昭・宮原浩二郎・名部圭一編『社会文化理論ガイドブック』ナカニシヤ出版,249-52. 「遂行的」というのは、言語学の用語である。文章の中には、それを発話することが、そ…
国家によるハビトゥスを通じた象徴的暴力の行使(Bourdieu 1994=2007: 152-4)
Bourdieu, Pierre, 1994, Raisons pratiques : sur la théorie de l’action, Paris: Éditions du Seuil. (加藤晴久・…
行為としてのナショナリズムの分類(樽本 2016; 佐藤 1995)
樽本英樹,2016,『よくわかる国際社会学 第2版』ミネルヴァ書房. 佐藤成基,1995,「ネーション・ナショナリズム・エスニシティ――歴史社会学的考察」『思想』854: 103-127.(樽本英樹,2016,『よくわか…
マイケル・ビリッグ「ありふれたナショナリズム」とスポーツ(原 2011)
[1] 原百年,2011,『ナショナリズム論——社会構成主義的再考』有信堂高文社. 「ありふれたナショナリズム」は、「ネーションからなる世界」という概念的イメージをつくり上げる信条、前提、習慣、描写、実践などによって複…
「なりたがり」世界都市(町村 2006)
町村敬志,2006,「グローバリゼーションと都市空間の再編——複数化していく経路への視点」似田貝香門・矢澤澄子・吉原直樹編『越境する都市とガバナンス』法政大学出版局,35-58. 後発の大都市がグローバルな都市間競争に…
給与明細に隠されたもの:日系人労働者の給与の実態(丹野 2016: 108-9)
丹野清人,2016b,「顔の見えない定住化」北川由紀彦・丹野清人『移動と定住の社会学』放送大学教育振興会,105-119. 彼は「時給1,200円で働いている」と筆者に言っていた。なるほど、彼の支給額は時間給1,200…
バリバイ一家が来日した経緯(乾 2021: 26-8)
乾英理子,2021,『クルドの夢 ペルーの家――日本に暮らす難民・移民と入管制度』論創社.p.26-8 家族が暮らしていたのは、トルコ南東部ガジアンテップ県にある小さなクルド人集落だった。父ムスタファさんは左官などの建設…
クルド人として日本に生きる(アフマディヤーン 2020: 40-1)
ソホラブ・アフマディヤーン,2020,「クルド人——ふるさとからの声」駒井洋監修・小林真生編『変容する移民コミュニティ——時間・空間・階層』明石書店,38-41. 現在、日本に居住しているクルド人のほとんどはトルコ出身…
単一民族という神話と多文化共生(塩原 2012: 27-8)
塩原良和,2012,『共に生きる——多民族・多文化社会における対話』弘文堂. こうして今日の日本社会では、「多文化共生」という謳い文句が定着しつつある。これは歓迎すべき変化だが、問題がないわけではない。それは、このスロ…
不就学の問題と教育を受ける権利(宮島 2023: 120-2)
宮島喬,2023,「移民/外国人の子どもたちと多文化の教育」宮島喬・佐藤成基・小ヶ谷千穂『国際社会学 改訂版』有斐閣,119-35.p. 欧米諸国の多くは,国籍に関わりなく一定年齢の子どもには就学を義務としている。しか…